南三陸町の今

撮影で東北地方（山形、仙台、石巻、女川、南三陸）に行ってきました。
震災からもうすぐ半年、この地に立ってみて思う事は「言葉が出ない」ということでした。
町が完全に無くなっている様を受け入れられず、ただただシャッターを切る事しかできません。
自分自身もウェディング撮影予定のカップルが延期をされたり、業界全体として「結婚」を自粛する
ムードが一気に高まりました。この秋になり、そのムードも少しずつ元の状態に戻りつつあると感じますが
TVでは震災や津波のことではなく、原発一色になり、逆にこれからどんどん忘れられていくのではないか
という心配もされています。この地で生きている人も人間、東京にいる人も人間、それでも時は過ぎて行き
私たちは生きて行かなくてはいけない。日々、自分が感じている業界に対するストレス。それは少なからず
あるのです。しかし、自分は「ウェディング」を撮っているのではなく、「人間」を撮っている。
そんなことを再認識しました。「人間が」そこにいてくれるだけで素晴らしい。
そう感じる事ができたのは、目の前に咲いていた向日葵のおかげかもしれません。
Director：酒井 洋一