これまでの人生でカメラマンに指示をして撮ってもらったことありますか？
普通の人は多分無いと思います。しかも、ムービーとなるとさらに無いのではないでしょうか？
もちろん「お任せします！」でも大丈夫ですが、ちょっとした情報を頂くことでカメラマンとして
カップルが大切にしていることを明確に撮影することができます。以下にカメラマンに伝えると助けに
なる10のことをまとめてみました。これらを伝える事で映像のクオリティはかなり上がると思います。
また表記上、「撮って下さい」という表現を使っていますが、決してなんとなく「記録撮影」して下さいとは
別の意味です。担当されるカメラマンが、何を伝えたいのか、何を表現したいのか、これが大切です。
つまり「カメラマンさんが伝えたいものを撮って下さい」です。
準備編
①「メイクシーンを撮って下さい」
個人的に花嫁になる瞬間はとても大切だと考えています。リップを塗る時、
ドレスのひもをしばる時、女性が花嫁になる瞬間です。僕の場合は、新婦の
肌のエッジや、髪がキラキラするのが好きなので常に逆光を狙って撮っています。
②「新郎も撮って下さい」
新郎の準備は新婦よりもゆっくりです。しかし、挨拶の練習したり、
それ以前の問題で言葉を考えていたりとてもドラマチックです。笑
バタバタ動いたりする可能性もあり、ストーリーが生まれやすいです。
そして大抵、新婦よりもそわそわしています。
③「会場準備を撮って下さい」
お二人が見られない景色をいかに見て頂くかも大切にしています。
当日はものすごい数のスタッフがお二人のために動いています。
会場のセッティング風景、スタッフの打ち合わせなど、そこも要チェックです。
挙式編
④「挙式前の友人や親族を撮って下さい」
ドキドキ感がいっぱい詰まっているのがこのシーンです。
お二人の入場を待つ皆様の表情はとても素敵です。
話飛びますが、キスシーン後の新婦の表情を個人的には
狙っています。そのために人前式の場合は下手、
牧師さんがいらっしゃる際は上手にポジションを取ります。
披露宴編
⑤「サプライズの時の表情を撮って下さい」
よく内緒で誰かのために行うイベントがあります。
事前に誰に向けてのものかがわかっていれば、カメラマンに伝えて下さい。
準備して、驚いた表情を狙い撮りできるからです。もしうまく伝わっていないと
もの事が起きてからの撮影になってしまい、後手後手にまわってしまいます。
⑥「協力してくれた友人を撮って下さい」
受付を引き受けてくれた友人や、ウェルカムボードを作ってくれた友人。
またはヘアメイクさんや、お花屋さん、もちろんカメラマンさんも友人の
ケースは多いでしょう。それを伝えるだけでもカメラマンの視点は変わってきます。
⑦「こどもとお年寄りの方を撮って下さい」
こどもの成長は早いもので、高画質で残せる良い時代なのでしっかりと
映像で残したいですよね。それからお年寄りの方も遠くからわざわざ出て来て
頂いたり、久しぶりにお会いする方も多いのではないでしょうか？
また、実際に先日あった話ですが、自分が撮影したパーティーの1週間後に
亡くなられたというような話も聞いています。これは僕らが想像している以上に
責任を良い意味で背負っている気がしたのです。
⑧「手紙を読むシーン、両親の表情を撮って下さい」
このシーンが個人的には一番好きです。手紙を読む新婦、そしてそれを聞くご両親。
この一連のシーンをぜひ撮って頂きたいです。全身ショットはいらないです。
だって見たいのは表情ですもん。
⑨「控え室に戻った時を撮って下さい」
このホッとした感じがいいです。ここで、今日の感想とかも自然とカメラに向かって
話してしまうのではないでしょうか？メイクを始めた時からあっというまだったかもしれません。
それとも長く感じたでしょうか？ぜひこの時の感情を大切にしてほしいと思います。
⑩「楽しんで撮ってください」
以上長々とカメラマンへの注文を書いて来た訳ですが、この一言を頂けると
ホッとします。笑 何よりカメラマンこそが楽しんで撮影をしないと、その画も
印象的なものにはなりません。もちろん撮るべきところは多いですが、カメラマンさんに
気持ちよく撮影して頂くためにも、カメラマンさんのセンスに任せる余白をのこして
おくことを伝える事が優しさであり、素敵な映像が仕上がるミソだと思っています。
Director:酒井洋一
